1.1.普通形+し(並列)
→以下を板書
T:(東京と「食べ物がおいしい」など、その要素を指して)東京は、食べ物が美味しいです。楽しいです。そして、交通が便利です。これが一緒になります。
(※この時点で助詞の「が」を強調しておく)
東京は食べ物もおいしいし、楽しいし、(それに)交通も便利です。「普通形+し」です。助詞の「が」が「も」になります。
T:(「この食堂」を指して)この食堂はおいしくないです。高いです。トイレがありません。この食堂はおいしくないし、高いし、トイレもありません。
(※要素を並列に表示する文型。普通形に「し」を加えるが、さらに、助詞の「が」が「も」に変化する)
T:(「千葉」を指して)千葉は東京から近いです。空港へすぐに行けます。海がきれいです。千葉は東京からも近いし、空港へもすぐに行けるし、(それに)海もきれいです。助詞の「が」は「も」になりますが、他の助詞は「助詞+も」になります。
(※助詞は「が」は「も」に変化するが、それ以外の助詞は「助詞+も」の形に変化する)
→さらに以下を板書
T:東京は便利だし、おもしろいし、食べ物もおいしいです。これはOKです。
「便利」、「おいしい」、「食べ物がおいしい」、全部「良い事」です。
東京はうるさいし、おもしろいし、ホテルも高いです。これはダメです。
「うるさい」、「ホテルが高い」は「良くない事」です。「おもしろい」は「良い事」です。全部じゃありません。ダメです。
この本は高いし、おもしろくないし、重いです。これはOKです。
「高い」、「おもしろくない」、「重い」、全部「良くない事」です。
この本は高いし、重いし、おもしろいです。これはダメです。
「高い」、「重い」は「良くない事」です。「おもしろい」は「良い事」です。全部じゃありません。ダメです。
(※並列する要素が全部、ネガティブか、ポジティブなことに統一されていないと文章として成立しない)
口頭練習
→以下のフラッシュカード(10枚セット)を入手して練習し、テキストでの発話不足を補う
1.FCにある文章を文型で繋げて、一つの文章にする
(例1)
→ すずきさんは中国語も話せるし、フランス語も話せます。
(例2)
→ 京都はとても暑いし、雨も少ないです。
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1.2.普通形+し(理由)
→以下を板書
T:(カラの財布などを見せて)私はお金がありません。どうしてですか?買い物をしましたから。パチンコをしましたから。
買い物もしたし、パチンコもしたし、お金がありません。
「普通形+し」になります。
きのうは忙しかったです。どうしてですか?会議がありましたから。大阪へ行きましたから。
会議もあったし、大阪へも行ったし、きのうは忙しかったです。
助詞「が/を」は「も」になります。助詞「が/を」じゃないのは、「助詞+も」になります。
(※理由を述べる文型。各理由が「普通形+し」となり、助詞は「が/を」は「も」になり、それ以外は「助詞+も」になる)
1.3.普通形+し、〜から(理由の特殊な言い方)
→以下を板書
T:(最上段の文を指して)どうして今日は神戸へ行けませんか?忙しいし、会議もあるし、神戸へ行けません。
(「=」の下の段を指して)忙しいし、会議もありますから。
ここで、「神戸へ行けません」は言いません。また、「会議もありますから」と言います。「丁寧形+から」です。「会議もあるから」じゃありません。
どうして明日ミラーさんに会いますか?東京へも行くし、時間もあるから、ミラーさんに会います。
(「=」の下の段を指して)東京へも行くし、時間もありますから。
(※理由を述べる特殊な文型。1.2.と同じように「普通形+し」で述べて、助詞の「が/を」が「も」になったり、「助詞+も」になるまでは同じだが、最後の部分が「丁寧形+から」となることで、結論の部分を省略できる)